鼻かぜと間違えやすいのが副鼻腔炎です。主な症状は鼻水、鼻づまりですが、症状が慢性化すると嗅覚異常が起こることもあります。
副鼻腔炎を放っておくとどうなる?
急性副鼻腔炎が長引いたり繰り返したりしていると、慢性副鼻腔炎になります。慢性副鼻腔炎を長期間放っておくと、副鼻腔にカビが発生して周囲の骨に影響を与えることもあります。重症化すると、骨が溶けてしまい視力の低下につながる恐れもあります。
風邪のあとなどに、鼻水や鼻づまりが長く続いたり、頭痛がしてきたら早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
医療機関で行う治療
副鼻腔炎は治りきらずに慢性化すると、粘膜が炎症して膿などが溜まり細菌が増えて副鼻腔の粘膜がさらに炎症する、というような悪循環を起こします。このような悪循環を断ち切るための治療を行います。
<薬物治療>
抗生剤を内服します。マクロライド系抗生物質を使って細菌が増えるのを抑えます。その他、粘液線毛機能改善薬、消炎酵素薬、漢方薬などを組み合わせて治療を行います。
<ネブライザー治療>
ネブライザーという噴霧器を使って、副鼻腔に吸入薬を噴霧します。薬を霧状にすることで、副鼻腔まで届きやすくなります。副鼻腔の炎症を抑えるために、消炎剤や抗生剤が使われます。
<排膿洗浄>
副鼻腔に溜まっている膿や鼻水を出して、中を洗浄してから抗生剤などの薬を注入します。
<手術療法>
薬物治療、ネブライザー治療、排膿洗浄を行っても効果がない場合は、手術療法を考えます。術後は定期的に経過観察を行いながら副鼻腔を正常な状態に戻していきます。
1.内視鏡手術
直径4ミリ程度の細い内視鏡を鼻腔内に入れて、鼻の中の映像をモニターに映しだして炎症している粘膜の除去を行います。副鼻腔に溜まった膿などを外に出して換気を行いやすくします。
2.外科手術
歯肉や顔面を切って炎症している副鼻腔を外から開き、内側の粘膜を取り除き、溜まっている膿などを出して鼻腔と副鼻腔の空気の流れを通りやすくさせます。術後に顔が腫れたり唇がしびれるなどの後遺症が出ることがあります。
現在は内視鏡手術が主流となっていますが、病気が進んでいる場合はこの外科手術が行われることもあります。
自宅で行えるセルフケア
風邪が長引くと急性副鼻腔炎になりやすいので、早めに治すようにしましょう。休息と睡眠を十分に取って身体の抵抗力を高めることが大切です。辛い鼻の症状を和らげるために、家庭でもセルフケアを行いましょう。
<副鼻腔を温める>
鼻粘膜の腫れを抑えるために、副鼻腔を温めましょう。
タオルを水で濡らして1、2分程度電子レンジで加熱すると、簡単に蒸しタオルを作ることができます。鼻に当てるまえに、必ず温度を確認してやけどをしないように気を付けましょう。タオルの端をつまんで少し冷ますと、適温になります。
蒸しタオルの他には、入浴も効果的です。鼻がすっきりとして気分もリラックスできます。
<運動をする>
鼻づまりの解消には、血行を促進することが効果的です。代謝機能を高めて免疫の働きを活性化し、老廃物の排出を促すからです。無理なく続けられる運動をして血流を良くさせましょう。
ヨガ、ウォーキングなどの有酸素運動は、身体の自律神経のバランスも整えてくれます。自律神経がバランスよく働くことで、呼吸、消化、免疫などの身体の機能を正常な状態に保つことができるのです。
<横向きに寝る>
副鼻腔炎を患うと鼻がつまり、寝ているときにいびきをかくことがあります。息を吐くときにのどが弁のようになって大きな音を立ててしまうのです。仰向けに寝ると、舌がのどに落ちて空気の通り道が狭くなり音が出てしまうので、寝るときは横向きになりましょう。抱き枕を使うと、自然に横向きになることができます。
まとめ
風邪などが長引いたことなどが原因として副鼻腔炎が発症しますが、長引くと慢性化して周りの骨に影響を及ぼす恐れがあります。重症化しないうちに医療機関を受診するようにしましょう。
治療は、薬物投与が主体となって行われますが、効果が見られないときは手術治療も検討します。慢性化しないように、普段から疲れを溜めないで身体の抵抗力を高めることを意識した生活を送りましょう。鼻をすっきりさせるためには、鼻を温めることや鼻洗浄が効果的です。
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