自律神経について

私たちの心や身体のバランスを司る、自律神経

自律神経とは、自分の意識とは別に、脳の命令なしで循環器や消化器、呼吸器などの働きを24時間コントロールしている神経のことです。
主に、運動時や気持ちが高揚している時に活発になる「交感神経」と、安静時やリラックス時に活発になる神経を「副交感神経」の2つからなっています。

交感神経は、特に昼間に活発になりやすく、交感神経が活発になると、筋肉や内臓が緊張して血管が収縮するため、体温が下がり、血圧が上がった状態になります。

副交感神経は、食後や入浴中、就寝中など夜間に活発になり、心身をリラックスさせて身体を修復させると言われています。副交感神経が優位に働くと、筋肉が柔軟になって血管が緩むため、体温が上がって血圧が下がった状態になります。

このように、交感神経と副交感神経は相反する働きで24時間中交互に働きながら、私たちの身体をコントロールしています。しかし、自律神経のバランスが崩れてしまうと、ホルモンバランスの乱れ、血行不良、太りやすくなるなど、心身に大きなダメージを与える要因に。
他にも、めまいや肩こり、冷えや月経痛、体温調節の不具合や緊張性頭痛などの症状も起こりやすくなると言われています。


反対に自律神経のバランスを整えると、冷え性が改善されて痩せやすい身体になったり、リラックスできて熟睡できるようになったりと、心身ともに嬉しい作用がたくさんあります!

交感神経と副交感神経は、どちらかに傾き過ぎても良くなく、2つの神経がバランスよく働くことが大切です。
私たちの生活は24時間テレビやパソコン、携帯電話を見ることができ、街は昼夜問わず電気がついているなど、交感神経を刺激するものばかりで溢れています。これでは、ストレスや疲れが抜け切らず、慢性的な身体の不調を招きかねません。

そのため、意識的に副交感神経を優位にさせる習慣をとり、自律神経のバランスを整えることが必要なのです。副交感神経のバランスは、日頃のちょっとした心がけで劇的に変わってきます。
そこで今回は、副交感神経の高める10の方法をご紹介します!


副交感神経を高める10の方法

1.身体を温める
ストレスなどによって交感神経が高まると、血流が悪くなり、身体の冷えを招きます。夜はシャワーではなく湯船に浸かるなど、身体を温めるように意識すると、血行が良くなり、副交感神経が高まります。

2.深呼吸をする
深呼吸は自律神経を整えるためには最も手軽で効果的な方法です。主に、吸う息は交感神経が優位になり、吐く息は副交感神経が優位になりますので、ゆっくり息を吸い、少しずつ長く吐く深呼吸を行うと、副交感神経が働き、脳も心も落ち着きます。


3.マッサージをする
マッサージは、特にリラックスしやすい入浴中や就寝前などに行うのがおすすめですが、仕事の合間に簡単に行えるような簡単なマッサージ、なども効果的です。
腸は自律神経をコントロールする臓器とも言われており、副交感神経が低下すると便秘になったり免疫力が低下するとも言われているほど。

4.軽い運動をする
ストレッチやヨガ、呼吸と連動させながら行う軽い運動がおすすめです。息が上がるような激しい運動は、交感神経が刺激されて興奮してしまいますので、副交感神経を優位にさせる目的の場合には控えましょう。

5.寝る2~3時間前までに食事や携帯電話、パソコンをすませる
熟睡は何よりも自律神経のバランスを整える健康法です。人や環境によって何時間寝るのがいい、というのは一概には言い切れませんが、やはり言えることは、睡眠は時間よりも質です。
睡眠の質を上げるためには、就寝前の食事や携帯の光を浴びることは控えましょう。寝室に間接照明を付けたり、アロマオイルを利用するとより効果的です。


6.朝陽を浴びる
朝陽を浴びることは、体内時計をリセットするだけでなく、ホルモンバランスを整えて自律神経を安定させ、心身ともに健やかに過ごせる大切な要素です。休日、お昼まで寝たいなと思う場合も、一度起きて朝陽を浴びるだけで寝疲れやだるさを軽減できます。

7.朝食をゆっくりいただく
副交感神経は、とにかくリラックスして、身体を温めることで優位に働きだします。朝、バタバタと準備をして仕事に向かう、家事をする、という生活は、現代社会では当たり前のこととなってきましたが、できる限り朝ごはんをしっかり、ゆっくりといただく時間を作ることで、気持ちの余裕が生まれ、副交感神経が高まります。

8.バランスのとれた食事をとる
東洋医学では、食事は身体面だけに影響を与えるだけでなく、心にも影響を及ぼすものだと古くから言われています。また、自律神経は内臓機能とも深く関わっているため、食物繊維を食べて、腸内環境を整えるほか、ビタミンやカルシウムの摂取を心がけましょう。

9.よく笑う
イライラは交感神経を高めやすく、逆にゆったりとした気持ちは副交感神経を高めます。笑う門には福来たる、とはよく言ったもので、昔からQOLを高めるためには、何よりもよく笑うことだと言われています。
最近では作り笑いも身体によい作用をもたらすということが分かっており、口角を上げているだけでも、知らず知らずのうちにストレスが軽減され、心身の疲労が軽減されるようです。

10.音楽を聴く
楽器を弾いたり、好きな音楽を聴くことは、落ち着いている状態やリラックスしている状態で、集中している状態などに脳から出る「α波」が活発に働きます。脳がα波を出しているときは、体と脳を休めてリラックスできるほか、ストレスを沈めたり、体の免疫力を高めて病気を予防することができるなど、副交感神経が優位に働いて様々な良い効果をもたらします。そのため、近年では音楽療法にも取り入れられているほど。


これまでは、α波を出すためには自然の音やモーツァルトの音楽を聴くと良いとされてきましたが、近年、これらが必ずしもα波を出すとは限らないことがわかってきました。その音楽を好み、聴いていて心地がよいと感じる音楽なら、どのジャンルの音楽でも脳がα波の状態になることもあるそうです。
つまり、ハードロックな音楽であっても、自分が心地よい、リラックスできる、と感じるならOK。逆に、α波を導きやすいと言われているモーツァルトなどの楽曲でも、不快感を感じていると効果はないそうです。


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