マッサージや整体の施術を受けた後にしばしば起こる「もみ返し」。マッサージなどをしてもらっている時は気持ち良かったのに、あとから身体が痛くなるなんて…これって大丈夫なの?と不安になる方もいらっしゃると思います。
そんなもみ返しの原因や、良いもみ返しと悪いもみ返しの見分け方について解説します。
もみ返しとは、マッサージなどの施術の後に、身体の一部に痛みを感じたり、全身に重さやだるさを感じることを言います。マッサージなどを受けたからといって必ず起こるわけでもなく、症状も当日から3日程度、時間が経てば治まることがほとんどですが、場合によっては1週間以上続くこともあります。
マッサージなどの施術を受ける場合は、たいてい同じ姿勢を取り続けることなどで起こる筋肉の緊張(コリ)を解きほぐし、血行を良くすることを目的としますが、硬くなっている筋肉は柔軟性がなく、少しの刺激でも損傷してしまいます。
一般的に強くもみ過ぎることがもみ返しの原因と言われていますが、そもそも筋肉がダメージを受けやすく、もみ返しが起きやすい状態であるとも言えるのです。
それでは、弱い力でマッサージをすればもみ返しが起きないのかというと、そうではありません。もむ力が弱く筋肉が十分にほぐれない部分があると、筋肉がほぐれて血行が良くなった部分との差が生じて、だるさを感じてしまうこともあります。
また、マッサージなどにより流れ出した老廃物などが排出されず、体内に残った状態などにも起こります。
もみ返しと聞くと、筋肉痛のような部分的な痛みを想像される方が多いと思いますが、もみ返しにはそれ以外にも様々な症状があります。
筋肉の痛み
筋繊維や筋膜が損傷し、炎症を起こすことによる痛みです。押した時にだけ強く痛む場合もあります。
倦怠感、眠気
マッサージなどを受けた後、痛みはないが身体がだるい、なんとなく調子が悪い、ということがありますが、これは、それまで滞っていた血液やリンパ液が流れ出し、体外へ排出しようとする老廃物や疲労物質が全身に広がるためです。
また、マッサージなどにより緊張して興奮状態にあった自律神経が鎮静化し、筋肉が緩み、呼吸が遅くなることで眠気を引き起こす場合もあります。
頭痛、頭重、めまい、吐き気
マッサージなどにより首まわりの筋肉を強く圧迫された場合や、マッサージにより血流が良くなることで起こる症状です。頭痛が激しくなることで吐き気を起こす場合もあります。
下痢、便秘、消化不良
慢性的に腸の動きが悪かったりすると、マッサージなどにより内蔵周辺の筋肉がほぐれ血行が良くなることで、溜まっていた老廃物を排出しようと身体が過敏反応を起こします。数日以内に治まるようであれば問題はないでしょう。
また、食後で胃に食べたものが残っていたりすると、腸ではなく筋肉に血液が多く流れてしまい、消化不良や便秘を引き起こすこともあります。
発疹、鼻水、尿の変化
マッサージなどにより体内に溜まっていた老廃物や毒素の排出が促されることで、尿の色が濃くなったり、吹き出物などの発疹、鼻水が出たりといった排泄反応が起こることがあります。
ごくまれに施術ベッドやタオル、マッサージに使用したオイルが肌に合わず、アレルギー反応を起こしてしまうケースもあります。
マッサージなどの施術の後にもみ返しが起こったからといって、必ずしも施術した人の技量がなかった、もみ返しが起こったから失敗、というわけではありません。実はもみ返しには良いもみ返しと悪いもみ返しがあり、それぞれ明確な基準があるわけではありませんが、もみ返しの後症状が改善したかどうかが大きなポイントとなります。
良いもみ返しの場合は、マッサージなどの後一時的にもみ返しが起こっても、その後身体がすっきりと軽く感じたり、腰痛や肩こりの症状が改善されるなどの良い状態に向かいます。
このような、症状が改善される前に起こる一時的な痛みや不快感は「好転反応」と呼ばれていて、好転反応の場合は翌日〜2、3日ほどで身体が楽になります。
また、血行が良くなり老廃物を排出しようとする動きに由来するため、部分的に痛みが出るのではなく、先にご紹介した、倦怠感や眠気、頭痛や下痢などの全身への影響が出たり、部分的であっても「重だるい」といった感覚になることが特徴です。
悪いもみ返しの場合は、筋肉を強くもみすぎたことにより筋繊維や筋膜が損傷して炎症を起こしている状態ですので「痛い」という感覚があります。また、良いもみ返しとは反対に、痛みや重さが1週間くらい続いたり、その痛みや重さがとれてもマッサージなどを受けた部分の症状が改善されていない、もしくは症状が悪化するといったことが特徴です。
コリがあると感じている部分ではない、関係ない部分が痛む場合も悪いもみ返しの可能性があります。
もみ返しが起こってしまった場合の対処法についてですが、良いもみ返しのようになんとなく重く感じる、軽い筋肉痛程度のあまり気にならないものであればそのままでも問題ないでしょう。しかし、悪いもみ返しのような気がしたり、痛みなどの不快感が気になる場合には次のような対処法が効果的です。
痛いと感じるもみ返しの場合は、筋肉痛と同じで筋繊維や筋膜が炎症を起こしていると考えられます。したがって、患部を冷やす方法が有効です。氷や保冷剤などをタオルで包むなどし、患部に当てると良いでしょう。
氷や保冷剤で冷やす場合には凍傷を起こす可能性がありますので、時間は10〜20分程度を目安に、あまり長く冷やしすぎないようにしましょう。
全身に重い、だるい、といった感覚があるもみ返しの場合は、体内の老廃物や疲労物質がうまく排出されずに残ってしまっている可能性があります。そのような場合は水分をなるべく多くとるようにし、排泄を促すとよいでしょう。
身体を温めた方が老廃物は排出されやすくなりますので、水分をとる場合には冷たい水はなるべく避け、白湯や常温の水を飲むようにしましょう。デトックス効果やリラックス効果のあるハーブティーもおすすめです。
疲労が蓄積されていたり、ストレスを感じている状態の身体はもみ返しが起こりやすい傾向にあります。倦怠感を感じるようなもみ返しの場合は、マッサージなどの施術により興奮状態にあった自律神経が鎮静化し、リラックス状態にあると考えられますので、しっかりと睡眠をとって身体を回復させましょう。
また倦怠感だけではなく、筋肉に痛みがあるようなもみ返しの場合も、睡眠をしっかりとることで回復が早まるでしょう。
広島市西区整体 大元気整体