パソコンやスマートフォン(スマホ)の普及により、いまや国民病の一つに数えられる腱鞘炎。原因は、主に手や指の使い過ぎと言われています。
そんな腱鞘炎も、以前は職業病といわれていました。ピアニストやバイオリニストなどの演奏家、ハサミを使う理・美容師、ノコギリやカナヅチを使う大工、ペンを使う小説家や漫画家などなど、手を酷使する職業の人たちにつきまとう病気だったのです。
包丁やフライパンを使う調理師も腱鞘炎の多い職業です。ただし、経験豊富なベテランの調理しになると、なるべく手に負担がかからないような道具の使い方をしているでしょう。むしろ、調理師学校の生徒やまだ修行中の人、居酒屋のアルバイトの人たちなど経験の浅い人に腱鞘炎で悩む人が多いかもしれません。
スマホの登場で国民病になった腱鞘炎
主婦の腱鞘炎が増えている
同じように、主婦も日常的に料理をする点で腱鞘炎になりやすく、実際に腱鞘炎で悩む主婦は多いものです。いわゆる専業主婦、主婦業とは別に仕事に就いている女性を問わず、家族のために毎日調理をする点では、プロの調理しと同じです。
それぞれの家庭でいろいろなケースがあると思いますが、腱鞘炎で痛むからといって休めないのが現実ではないでしょうか。
そんな主婦たちに是非見直していただきたいのが、包丁の持ち方です。包丁の持ち方は以下のようにいくつかのパターンがあります。
①5本の指で包丁の柄を握って持つ
②人さし指から小指までの4本の指で柄を握り、親指を包丁の峰に当てる
③親指と中指から小指までの4本の指で柄を握り、人さし指を包丁の峰に当てる
あなたの包丁の握り方はどのパターンでしょう。
このうち、腱鞘炎になりやすい握り方は②と③です。
包丁の持ち方で腱鞘炎は改善する
②の場合、親指を伸展して包丁を持つ形になり、それだけでも親指に負担がかかります。さらに、物を切る時にどうしても親指に力が入るうえに、包丁の刃がまな板に当たったときの衝撃を親指で受け止めなければなりません。
③のように持つと、人さし指を伸ばすために手首を手の甲側に曲げること(伸展)になります。これは人さし指を伸ばしてパソコンのマウスを持つのと同じ形です。この持ち方で手首を上下に動かして包丁を使うと、手首やひじから人さし指につながっている筋肉を酷使することになります。
①の持ち方は、手首の伸展もほとんどありません。また、物を切るときに力が入るのも、衝撃を受け止めるのも手のひら全体で、どれか1本の指に負担が集中することはありません。
とくに、カボチャなど硬い食材を切るときは、②③の持ち方はさけてください。利き手で①のように包丁を持ち、反対の手のひらを刃先の峰に添えて両手で体重をかけ、ザクリと切りましょう。
柔らかい食材を切るときは、力はそれほど使わないものの、トントントンと包丁を振る回数が多くなります。このときも①の持ち方は手首や親指、人さし指への負担が少なくてすみます。
ただし、①では包丁の刃が安定しにくく、小口切りや千切りはやりにくいかもしれません。その場合、親指と人さし指で刃先をはさみ、残りの3本の指で柄を軽く握ると刃先が安定します。
パソコン腱鞘炎やスマホ腱鞘炎で悩んでいる主婦には、パソコンやスマホのやりすぎを注意するとともに、生活術として包丁の持ち方のアドバイスをしています。実際に、包丁の持ち方を変えただけで、ほとんどの人の腱鞘炎が軽快しています。
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