体脂肪ってなに?理解して健康な体を維持しよう
体脂肪や体脂肪率という言葉はよく聞きますが、適正値や体に及ぼす影響についてご存知ですか?体脂肪についてよく知り、必要な場合は適切な対策を行いましょう。
体脂肪とは
体脂肪とは、体に貯えられた脂肪のことで、主に脂肪細胞に貯えられています。
また、体脂肪率とは、体重に占める体脂肪の比率をパーセントで表したものです。
体脂肪の働き
脂肪細胞は、体の機能を正常に保つために必要なホルモンなどの物質を作り出しています。
女性にとっての体脂肪は正常月経の維持、妊娠・出産などに不可欠です。また、エネルギー源を貯蔵して体温を保つ働きや、外部からの衝撃から内臓を守る役目もあります。
体脂肪の種類とつきやすい場所
体脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪の2つに分けられます。
皮下脂肪とは皮膚組織にある脂肪で、少しずつ蓄積される特徴があります。お腹(特に下腹部)、お尻、太ももなどにつくことが多く、一度ついてしまった皮下脂肪は落ちにくいです。
内臓脂肪とは腹筋の内側の壁、腹腔内についている脂肪のことで、主に小腸を包んでいる腸間膜という場所に付くことが多いです。皮下脂肪とは逆に、短期間で蓄積されやすいが、落ちやすいという特徴があります。
多すぎると良くない脂肪
脂肪は必要以上に体に蓄積してしまうと、健康を損ねてしまう恐れがあります。
脂肪のついている位置によって健康への危険性は大きく異なり、男性に多い内臓脂肪肥満はりんご型肥満と呼ばれ、高血糖・脂質異常・高血圧などの生活習慣病発生リスクが高くなると考えられています。
女性に多く見られる皮下脂肪型肥満は洋ナシ型肥満と呼ばれています。内臓脂肪と違い動脈硬化の進行などの心配は低いですが、睡眠時無呼吸症候群や関節痛、月経異常などを発症させやすくなるので注意が必要です。
肥満と体脂肪
肥満とは、脂肪組織が体内に過剰に増加した状態のことをいいます。肥満かどうかの判定方法には、BMIや体脂肪率がよく使われています。
体脂肪率
体に占める脂肪の比率を表したものです。正確に測定するにはCT・超音波・X線などさまざまな方法がありますが、体脂肪計や体組織計用いると家庭でも簡単に測定することができます。
適正な体脂肪率
家庭用体脂肪計での測定では、成人女性は30%、成人男性は25%という基準が設けられており、それぞれの数字を超えると体脂肪量増加状態にあると考えられています。
体脂肪測定における注意点
体脂肪率は、年齢・性別・運動習慣などに大きく影響を受けます。家庭用体脂肪率計での測定では、体脂肪率は朝から夕方にかけ次第に低下する傾向があります。これは日中の身体活動による水分移動や、食事や水分の摂取に影響されるためです。各メーカーにより体脂肪率を推測するためのソフトウェアが異なるため、数値は変わることがあります。
家庭用体脂肪計によって測定された値は絶対とはいえません。一つの測定器を使用し、毎回同じタイミング(朝起きてすぐがおすすめ)で測定し、日々の経過確認に使用することをおすすめします。
体脂肪はなぜ増えるのか
体には、飢餓になったときに耐えられるよう、食事から摂取して使い切らなかったエネルギーを蓄えるという仕組みがあります。肝臓や筋肉にもこの余剰エネルギーを蓄えることができますがその量には限りがあり、蓄えきれなかった分が脂肪に変換されます。
脂質を多く含む食材が脂肪になると勘違いしてしまう人も多いのですが、主にエネルギー源となる三大栄養素の炭水化物やタンパク質も実は摂りすぎてしまうと体脂肪として蓄積される可能性があります。
体脂肪が増えやすい人とは
体脂肪が増えやすい傾向にあるのは以下のような特徴の人です。
- 運動習慣がない
- アルコール摂取が多い
- 食生活が乱れがち
- ストレスを感じることが多い
- 喫煙をしている
若い頃から食べる量が変わらない方も、体脂肪の増加傾向にあります。その要因は、基礎代謝の減少です。男性の基礎代謝のピークは15~17歳、女性では12~14歳となっており、その後は10年間で約2%ずつ低下していきます。*1
年齢を重ねるにつれて運動をする量は減ったが、食べる量は若い頃と変わらないという人は注意をしましょう。
体脂肪を減らすには
一つ目は、体脂肪を増やすような食事を変えること、二つ目はエネルギーを消費しやすい体に変えていくことです。この両輪が動き始めたら、自らの体の変化に気づくことができるでしょう。
食事で体脂肪を減らす
体脂肪の減少につながる食生活の改善方法の一例をご紹介します。
一日のエネルギー量を知ろう
まずは自分の一日の消費エネルギー量を計算してみましょう。
{身長(m)×身長(m)×22}×25~35=一日の消費エネルギー量(kcal)*1
25~35は、自身の活動量に応じて、適宜変えてください。デスクワーク、車移動が多い場合は25、徒歩移動などが多い場合は30、運動を行っている場合は35を用いてください。
この消費エネルギー量(kcal)を超えないように、食事のカロリー(エネルギー)コントロールをしましょう。
エネルギー源
次に、何からエネルギー(カロリー)を摂取するかが重要になります。エネルギー源になるのは主に、三大栄養素の炭水化物、タンパク質、脂質です。
これらの栄養素は、私たちの体内で1gあたり、タンパク質が4kcal、脂質が9kcal、炭水化物が4kcalのエネルギーに変わるといわれています。
これらの摂取バランスが非常に重要で、エネルギー(kcal)比率として炭水化物を50~65%、タンパク質を13~20%、脂質を20~30%摂るように心がけましょう。
例えば、一日に2000kcalのエネルギーが必要な方の場合で計算すると、炭水化物を250~325g、タンパク質を65~100g、脂質を44.4~66.7g摂取するのが理想とされます。
食事のバランス
脂肪からのエネルギー代謝をスムーズにするにはビタミン、ミネラルなども重要です。野菜、果物、乳製品、小魚なども摂るようにしましょう。特に、普段の生活で不足しがちな野菜は、一食あたり両手に一杯分を意識して摂るようにしてみてください。
食べる順番
運動を始めるときに準備運動をするように、食事の場合も食べる順番によって脂肪への吸収が変わってきます。
私たちの体は食事を摂ると血糖値が上昇し、体内の血糖値を下げようとインスリンが分泌され始めます。インスリンは血液中の糖を、血中から各細胞に吸収させる働きをします。その際に、脂肪細胞にも糖は吸収されてしまうため体脂肪の増加につながります。
インスリンの分泌は血糖値の上昇スピードに比例するので、脂肪細胞への吸収を防ぐためには血糖値の上昇を緩やかにする必要があります。このときに重要な役割を果たすのが食物繊維です。食物繊維の多いものを食事の最初に食べることで、糖や脂肪の吸収を妨げ、消化を遅くし、血糖の上昇を穏やかにしてくれます。野菜やキノコ、寒天やこんにゃく、おからなどに多く含まれており、少量でも満腹感をもたらしてくれるので食べ過ぎ防止にもつながります。
運動で体脂肪を減らす
運動で体脂肪を減らすのに有効な方法は有酸素運動をメインにして、無酸素運動を組み合わせながら継続的に続けることといわれています。
有酸素運動では、脂肪をエネルギー源として使用するため、体脂肪の減少に有効であると考えられています。一方で無酸素運動を行うと、成長ホルモンが分泌され、脂肪の分解を促進しエネルギー源として使える状態にしてくれます。有酸素運動と無酸素運動を組み合わせ、より効果的に脂肪を消費するのがおすすめです
体脂肪にアプローチ!効率の良い筋トレ法
筋トレも体脂肪に効果的といわれています。特に、大きな筋肉を鍛えると基礎代謝の向上が期待できます。また、引き締まった筋肉質な体になると、その効果が見た目に現れるのでモチベーション維持にもつながります。
なかでも、スクワットや懸垂などは大きな筋肉を動かすため、おすすめのトレーニング方法です。
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