心と体のバランスの重要性
東洋医学では、「身体(肉体)」と「心(精神)」を別物とは考えず、相互に作用しているものとして捉えています。つまり、「病は気から」のことわざ通り、体調が悪くなる原因は、肉体のみにあるのではないということを表しているのです。現代社会は、物質的には恵まれた(もちろん、世界中の中では物質的に不足しているところも数多くありますが)世界に私たちは生きています。ところが、反面、精神的な問題で、毎日疲労し、ストレスがたまっていった状態で、生活をしています。人と暮らす動物たちもまた同じで、人間社会が複雑になればなるほど、彼らの純粋な心も疲労しやすくなっているのです。
「気」とか「波動」とかという言葉を、耳にされた方もいらっしゃるかと存じます。そうしたものは、目には見えません。しかしながら、「あの人とはなんとなく気が合わない」「彼とは波長があって、一緒に居て楽しい」などと、私たちは日常、目に見えないはずのこうした「気」や「波動」といったものを、無意識に感じ取っているのです。こうした能力は、動物たちの方が敏感です。
一家の中で、例えば妻が毎日、毎日グチや口やかましいことを一日中言っている家庭ではどうなるでしょう?おそらくそうした家庭では、安らぎが感じられず、夫や子供の帰宅も遅くなりがちだと思います。彼らは、グチを聞くこと、小言を聞くことよりもむしろ、無意識に妻の出している、マイナスの波動を家中に感じて、自身の体調が悪くなるのを感じるのです。その防御策として、帰宅が遅くなったり、場合によっては極端なケースですが、夫が浮気をしたり、子供が飛行に走ったりということに発展してしまうこともあったりするようです。もちろん反対に、夫が家庭内暴力(DV)で妻に暴力をふるったり、(言葉で罵倒する言葉の暴力も含む)子供が何らかの問題を抱えているケースでもそれは同じです。私たちがカウンセリングを行ってきたケースでも、家庭不和がある中で暮らしているペットは、まず慢性疾患や難治性疾患(治りにくい病気)を持っていることが少なくありません。そういうものがない場合でも、精神的には自分の感情を押さえ込んだり、やたらと物音や、人の表情や声の違いに敏感だったりすることがあります。l彼らは、人間のように言葉で内容をこと細かに理解しているのではありません。人が発している「気」を感じとってしまうのです。つまり、まずそうした問題を解決しなければ、いくら病院に通って一時的に症状が改善されても、心が身体に及ぼす根本的な問題を解決することは、非常に難しいということなのです。
今まで、実家で一戸建てに住んでいたペットが、例えば娘さんが結婚したので、一緒にマンションに越してきた途端、具合が悪くなったなどということもよく聞きます。基本的に、集合住宅は色々な人間が共に暮らす空間です。プラス思考の人もいれば、やはりマイナスの気をたくさん無意識に発している人たちもいます。そうした目にみえない「気」を、彼らは受信してしまい、おかしな行動を取ったり、具合が悪くなったりということは、よくあることで、珍しいことでも、不思議なことでもありません。そして、そうしたことは、決して一般の動物病院を受診しても、診断がつくものでもありません。しかしながら、「一体、誰のせいでうちの○○ちゃんの具合が悪くなったの?」と犯人探しをしてみても、始まらないでしょうし、あなたがそうしたマイナス思考をしてしまっては、余計にペットの具合も悪くなってしまいます。大切なのは、一緒に暮らしているご家族が、そうしたマイナスの気を跳ね返してしまうほどの、強いプラスの気を保って生活していれば良いのだということなのです。
加えて、ご家庭内が平和であれば、いくらでも外部からの影響に対しては、解決方法はあります。しかし、ご家族が不在がちで、例えば集合住宅などで、どこからともなくたくさんの人間の気がたまりやすく、集合電波の影響なども受けやすい、つまり日中そうしたマイナスの気にさらされやすい子の場合は、それこそ、たまに自然の空気に触れ、たまったマイナスの気や、室内に帯電しやすい、電磁波などを放電しなければ、肉体も連鎖的に悪くなってしまうケースもよくあります。これは、ペットに限ったことではなく、人間の子供さんや、大人でもいわゆる「気」を受けやすい方だと、同様の症状が出ることはあります。
また、東洋医学では「感情」と「臓器」や「器官」との関係も、密接であると考えます。例えば、怒りっぽい人(表面に出す、出さないは別として)は肝臓に問題が出やすい、不安に陥りがちな人は腎臓系統が弱いなど、密接に肉体と心は関わっています。(加えて、東洋医学では肝臓は目とつながっているので、肝臓が弱い人は目にも問題が出やすく、腎臓が弱い人は耳に問題が出やすいなどの関連性も分析できます。)もちろん、これらのことは単に、感情だけでなく、体質なども考慮して判断していかなくてはなりません。
人間関係でストレスを生じると、臓器のパイプ役である腸や体内の中心にある胃にストレスがかかりやすくなりますし、悩みごとがあるときも、(結局問題が消化されないということで)消化器に問題が出ることも多いのです。基本的に、「脳」と「心臓(ハート)」も密接な関わりを持っています。「ハートで感じたこと」を「脳で整理分析する」ということを、私たちは日常繰り返しています。しかしながら、このバランスが崩れたとき、例えばあまりにも
頭でばかり物事を追求した結果、脳血管疾患や脳障害に陥ることもないとは言えませんし、反対に頭での分析・整理をせず、感情に任せてばかりいると、心疾患に陥るケースもなくはありません。感情を溜め込んでしまった結果、それが「石」や「腫瘍」となって、体内に溜まったり、増殖してしまったというケースもあります。遺伝的な要因や環境要因、その他突発要因以外の精神的な問題で、カウンセリングをしていく中、私たちあまりにも「なるほど」と思わざるを得ないケースを数多く診てきました。
もちろん、性格、持って生まれた個性、体質なども、密接にこうした心の問題と関係していきます。
東洋医学や自然療法では、「風邪」だから「風邪薬」、喉が痛いなら「喉の薬」といった処方の仕方はしません。その本人を見て、その人や動物が健康体であれば、どのような性格・個性を持ち、どの臓器に問題が出やすいかなどを診断してから、個々にあったお薬を処方していきます。風邪を引いても、「私は喉が弱くて、咳になりやすい。」「いや、僕は鼻が弱くて、いつもこの季節ティッシュがはなせないんだ。」「私は、いつも風邪では下痢になるわ」などと、人によって症状の出方が違うのも、みんなそれぞれの体質が違うからなのです。
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