肩こりはなぜ起こるか、その原因とは?
何をするにもつらい肩こりですが、その原因はいったいなんなのでしょうか。自分では思いもよらなかったことが肩こりを引き起こしている、なんてこともあり得るかもしれません。自分の肩こりがなぜ起こるのか探ってみましょう!
①姿勢が悪い
パソコンを使ってデスクワークをしたり、スマホを長時間いじったり、仕事や休日のおでかけで車を運転したり……。ずっと首を前に出して背中を丸め、肩がすぼまったような同じ姿勢を取り続けていると、首や肩の筋肉が緊張し、血のめぐりが悪くなり肩や首のこりや痛みが生じます。
何もしていないときでも猫背になってしまう人は肩がこりやすいので、背中を丸めるクセは直したいところです。同じ体勢が長く続く場合は、1時間に一度、10分ほど休憩をとるといいでしょう
また、1日中デスクワークをしている人は、キーボードを打ち続けたりマウスでクリックやドラッグなどを繰り返したりすることで、指や手首から疲労が生じてしまうこともあります。
②体型にも関係
肩こりは日本人の国民病とも言われますが、その理由のひとつには日本人の体型が関係しています。日本人は、頭が大きくて重いわりには首や肩まわりの筋肉と骨格ががっしりしておらず、なで肩という人が多いですよね。そのせいで、首から肩の筋肉にかかる負担がとても大きく、もともと肩こりになりやすいという悲しい体型なのです。
また、肥満気味という人も肩こりには注意しましょう。背骨や関節、肩周辺の筋肉などに脂肪が負荷をかけるため、肥満でない人に比べて肩こりになりやすくなってしまうのです。
③眼精疲労
パソコンやスマホの強い光、会議資料の細かい文字などを見続けると、目とその周りの筋肉が酷使されて常に緊張状態に置かれるため、そこから首や肩にまで疲労が伝わってしまいます。また、パソコンで作業中の人のまばたきの回数は、普段何も注視していないときに比べて10分の1から20分の1ほどにまで減少してしまいます。そのためドライアイから眼精疲労が引き起こされ、肩こりの原因となってしまいます。
④血行が悪い
長時間同じ姿勢を取り続けるなど、首や肩をはじめとした同じ箇所の筋肉ばかり使っている状態では、その周辺の筋肉は緊張してしまいます。普段の筋肉は伸びたり縮んだりして血液を心臓に送る働きがありますが、緊張状態の筋肉は硬くなってしまっているため、筋肉に血管が圧迫されて血流が滞ってしまうのです。
血液は体中を巡って栄養や酸素を供給し、二酸化炭素や老廃物、疲労物質などのいらなくなったものを受け取って流し去ってくれるという、体内のさまざまな運搬の役割を担っています。血行が悪いとそのような血液の働きが低下してしまい、痛みや疲労の原因物質が筋肉に留まったままとなるために肩こりが起こってしまうのです。
⑤ストレスが多い
肩こりは姿勢や血流など身体に関係するものだけでなく、精神的なストレスが原因となることもあります。ストレスを感じると脳が交感神経を活発にする指令を出すため、筋肉が緊張状態になります。そのため、同じ姿勢をずっと取っていたり同一箇所の筋肉を酷使したりしているのと同じような疲労が生じ、肩こりが引き起こされてしまうのです。
また、ストレスから喫煙量が増えてしまう人がいるかもしれませんが、タバコはよけいに交感神経を活発にさせてしまいます。それが肩こりを悪化させ、そのせいでストレスが増してさらにタバコの量が多くなる……という悪循環にならないよう、タバコ以外のストレス解消法を探すことをお勧めします。
これも肩こり? 意外な症状
肩こりといえば、首や肩、背中のあたりがズシンと重く、何かおもりが乗っているような感覚を思い浮かべる人が多いでしょう。人によっては、肩甲骨まわりに硬い板が入れられているように感じることもあるかもしれません。しかし、それ以外にもこんな「肩こり」があったのです!
①激痛が走る
肩まわりはもちろんのこと、首や背中が激しく痛むというときは、肩こりが重症化してしまったことが考えられます。「寝違えたのか首が痛いのが治らない」「何もしていないのに背中が痛い」など、肩以外の場所が痛んでも、その原因が肩こりだとはなかなか思い当たらないでしょう。しかし、それまでに肩が重いかんじや鈍い痛みなどを感じていた場合は、それを悪化させてしまったために激痛が生じている恐れがあります。
夜に眠れないほど痛む、じっとしていても常に痛みやしびれを感じるといったレベルまで悪化してしまった場合は、普通の肩こりをやわらげるような方法では効き目がないかもしれません。なるべく早めに病院で医師の診断を受けましょう。
②頭痛やめまい、吐き気をもよおす
一見肩こりとはまったく関係なさそうですが、頭痛やめまい、吐き気がするなどの症状は、肩こりと密接に関わっていることがあります。
背中や肩、首まわりの神経が肩こりによって緊張すると、そこから後頭部とこめかみのあたりにつながっている神経も同じようにこわばり、神経性頭痛が引き起こされます。この神経性頭痛は頭がひどく痛むだけでなく、立っていられないようなめまいや我慢できないほどの吐き気がもよおされることもあります。肩こり解消法を試すとこれらの症状がよくなることも多いようです。
③高血圧とも関連性が
今までは低血圧の人が血の巡りの悪さ、身体の冷えから肩こりを発症しやすいと言われていました。しかし、だんだん一概にそうともいえないのではないかと考えられるようになってきました。
高血圧になってしまう原因はさまざまですが、その中に動脈硬化で血管が狭められ、血流が悪くなるために血圧が上がるというものがあります。また、ストレスが交感神経を働かせて筋肉を緊張させてしまうというのは先述のとおりですが、交感神経が血管も狭めてしまい、高血圧を引き起こすこともよくあります。
どちらにも血流と高血圧の関連性が見られますが、血行が悪いと肩こりにもなりやすくなります。そのため、高血圧と肩こりは併発してしまったり、同じところに起因していたりするというわけなのです。
自分でできる! 簡単肩こり解消法
肩こりにはさまざまな原因があります。自分に当てはまる原因を見つけたら、あとはそれにぴったりの解消法を行い、ひどい肩こりの症状を改善しましょう!
①軽い運動をする
ウォーキングなどの軽い運動をすると、血流がよくなるのに加えて肥満やストレス解消にもつながります。また、運動することによって筋肉の衰えを防ぎ、筋肉が血液を心臓に送る力や筋肉の柔軟性もアップします。そのため、筋肉がカチカチに固まって血液の流れが滞り、肩こりの原因を作ってしまうのを防止できます。歩くときには意識して腕を肩から大きく振るようにすると、肩の筋肉もほぐれます。
なかなか外に出て運動する機会がないという人は、剣道の素振りのように両手を振り下ろす動きをしてみるのもいいでしょう。腕を大きく上に上げてブンっと下ろすことで肩周りの筋肉をつけたり、こりをほぐしたりする効果が得られます。
ずっと同じ姿勢を取っていると肩こり街道まっしぐらで危険です。運動とまではいかなくても、首をゆっくり回す、伸びをする、膝の屈伸など身体をほぐすような動きを1時間に1回は取り入れるようにし、肩こりを予防しましょう。
②眼精疲労対策
パソコンを使うデスクワークをしていると、眼精疲労を感じることは少なくないでしょう。疲れ目用の目薬をさすのもいいですが、他にもすぐできる眼精疲労対策を行ってみてはいかがでしょうか。
まず、目の疲れを感じたら目を閉じて60秒数えます。それだけでも目を休ませることができますが、こめかみから目尻の延長線上あたりを指で押さえ、優しく円を描くように撫でるマッサージを同時に行うと、さらなる効果が期待できます。
仕事中など、どうしてもゆっくり目を閉じてマッサージできないときは、スクリーンから目線を外して遠くを見るようにしましょう。窓の外の景色や自然の緑などがベストですが、近くから遠くに焦点を合わせるだけでもかまいません。
また、画面を上下にスクロールする動きを見続けると、動体視力を酷使するためさらに目が疲れます。スクロールを止めるか、画面の上下に目を向けるなど注視しないように気をつけましょう。
③血行を促す
血液の流れが滞ることで肩こりが起こるということは、裏返せば血行を促すと肩こりの解消に効果があるということです。湯船に浸かって体を温めるというのが、家でも簡単にできる定番の方法です。全身を温めることで血管が拡張され、血行が促進されます。疲労が解消されたり、汗で老廃物を流したり、リラックスしてストレスをやわらげたりすることもできます。
食生活にも気をつけましょう。玉ねぎや魚、海藻類を食べると血液がサラサラになるので、意識して食事に取り入れるといいかもしれません。反対に、揚げ物やアルコールを摂りすぎると動脈硬化や血栓の原因になってしまうので、量を控えめにするよう心がけることが大切です。
④肩甲骨ストレッチ
肩こりは肩甲骨を動かす筋肉が硬くなることが多く、肩がこっている人は肩甲骨の動きが悪くなってしまっています。そのため、肩甲骨をほぐすストレッチを行うことで、首から肩、背中にかけて感じていた重いこりが軽くなります。
まず、片方の手のひらを前に向けた状態で、耳の横に腕がつくくらいピンと手を上げます。このとき、高いところに手を伸ばすようなイメージでグッと腕を持ち上げます。そのままゆっくりと大きな弧を描くように、5秒数えながら手を下ろしていきます。今度は反対側の手で同じ動きをし、これを5セット行います。
立っていても座っていてもできますが、どうしても肩が痛くて腕が上がらない場合は四つん這いの姿勢でやってみましょう。全部で1分程度でできる簡単なストレッチですが、肩こり解消に効果があります。
また、肩甲骨を動かす筋肉を鍛えることも肩こり予防になります。効果的に筋肉を鍛えられる筋トレをご紹介します。
まず、両肘を肩と水平になる高さまで上げ、手は鎖骨のあたりで軽く握ります。そこから無理のない範囲で肘をさらに上げていきます。その肘の位置からできるだけ下がらないように意識して、肘をゆっくり5秒数えながら後ろに動かします。そうすると左右の肩甲骨がぎゅっと中心に寄っているのがわかると思います。その肩甲骨の位置をキープしたまま、肘だけを下げます。これも5セット行います。
筋トレといっても、これも立った状態でも座った状態でもできる簡単なものなので、ストレッチと一緒にやってみてください。
肩こりは日本人特有の症状、という豆知識を聞いたことがある人もいるのではないかと思いますが、実はそんなことはありません。海外では、日本で肩こりと呼んでいるあの症状を「首こり」と呼ぶことが多いのだそうです。外国人は肩がこらないのではなく、こりを感じる場所が違うということだったのです。
日本人も、「肩がこって痛いなあ」と思っていても、実際は首の後ろあたりや背中に症状が出ていることがよくあります。どの箇所がこっていても、最大の原因は姿勢にあることが多いです。仕事中、通勤電車の中、家でテレビを見ているときなど、つい無意識のうちに前のめりで猫背な姿勢をとってしまう……なんてこともあるでしょう。自分で気づいたときだけでも首や背中をまっすぐに戻し、悪い姿勢を長時間とらないように気をつけたいですね。
肩こりをしっかり治し、仕事もプライベートもいきいきとした健康的な毎日を手に入れましょう!
広島西区整体 大元気整体院